体力回復

低下する一方だった体力がついに回復傾向に-何が効いた?

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こんにちは、ぴぴおです。

僕は過去数年にわたり、原因不明の急激な体力低下に悩まされてきましたが、数ヵ月前にようやく低下に歯止めがかかり、このところは改善傾向が続いています。

ランニングで記録を伸ばすことを生きがいの一つにしていた自分にとって、それまでの体力低下は非常に大きな悩みだったので、何年かぶりにこの問題から解放された今はとてもハッピーです。

中高年ランナーの中には、僕と同じような悩みを持つ方もいるかもしれませんので、何が体力回復に役立ったのかを検証した結果を皆さんにシェアしようと思います。

体力低下の経緯

まず、体力が低下した経緯をお話ししましょう。最初に体力の異常な低下に気づいたのは、2017年3月ごろです。当時は46歳でした。

そのころはフルマラソンでサブスリーを目指す一方で、休息日を入れずに何日連続で走れるか(連続走)にも挑戦していました。

前年の2016年は3月に3時間4分の自己ベストを出したほか、6月には調整なしで走った暴風雨の函館マラソンで3時間7分の記録を残すなど、好調でした

しかし、9月に夜明け前の緑道を走行中に倒木につまずき、転倒を避けようと踏ん張ったときに、ハムストリングスの付着部を肉離れするケガをして、そこから調子を落としました。

11月のつくばマラソンでサブスリーに挑みましたが、このときのケガの影響で十分に練習を積むことができず、3時間5分台の記録に終わりました。

翌2017年の3月に再びサブスリーに挑戦しますが、直前に肉離れが再発し、坐骨神経痛も併発して大会を欠場。4月にエントリーしていた大会で再挑戦を目指して調整を続けていましたが、間に合いそうにないことが分かると気持ちが切れたのか、急激に体力が低下していきました

それまで毎朝のジョグでは、3キロくらい走ると調子が出てきて、自然にペースアップしていきましたが、3キロ走るだけで息切れしてしまうようになったのです。

また、以前はキロ5分のペースで人と話しながら普通に走れたのですが、調子を落としてからは、次第にこのペースがきつくなっていきました。実際、キロ5分で走るときの心拍数も150から170くらいに上がっていきました。

そこで、連続走は1000日に到達した後に打ち切り、しばらく休んで体調を整えることにしました。

しかし気が抜けたからか、休み始めると逆に体の痛みが強くなり、それまでの肉離れの痛みと坐骨神経痛に加え、股関節にも痛みが発生。寝返りを打ったり、靴下をはいたりするのも苦痛になり、日常生活に大いに支障が出るようになりました。

それに加え、目まいや手のしびれも頻発するようになります。いろいろなお医者さんにかかりましたが、原因はなかなか分かりません。

ウェブサイトなどで得た情報と自分の状況を照らし合わせると、オーバートレーニング症候群の疑いがあることが分かりました。疲労が溜まりすぎて、休んでも疲れが抜けなくなってしまう症状です。そこで、オーバートレーニング症候群に詳しい医師に診てもらったところ、おそらくそうだという診断を受けました。

その後、体力はどんどん低下していきました。試しに少し走ってみると、キロ7分のペースで2キロ走るだけでも心臓がバクバクになります。2017年3月まで57~59で推移していたVO2Maxは、7月ごろには42まで低下しました。どうすればいいのか分からず、ほとんど鬱状態になってしまいます。

いったんは回復基調に

しかし、サプリの摂取、姿勢の矯正、ストレッチ、チューブトレーニング、ウエイトトレーニング、サイクリングなどを根気よく続けていたら、8月下旬ごろからやや体調が上向き始めました。

9月は少しずつ走る距離を伸ばし、ペースも上げていき、10月1日にはレースに復帰。10キロを43分台で走ることができました。この時は、直前までキロ5分で走るのも大変だったので、43分台は完全に予想外でした。

このころから、目まいや手のしびれといった病的な症状はなくなり、体力はまだ完全には戻らないものの、だんだん強い負荷の練習もできるようになっていきました。

そして2018年3月に「古河はなももマラソン」で、悲願のフルマラソン復帰を果たします。ネットで3時間9分台の記録で完走しました。これでオーバートレーニング症候群は克服し、あとはベスト更新とサブスリー達成に向けて、また練習を重ねていくだけだと思いました。

再び不調に

しかし、2019年になると、また体力が急低下していきます。

今度は、手がしびれるといった病的な症状はないのですが、やはり3キロ走ると疲れてしまうのです。加えて、集中力が続かず、仕事をしているとすぐに眠くなってしまいます。

変だと思い、血液検査を受けると、男性ホルモンの値が著しく低く、男性更年期障害と診断されました。

3月にまた、古河はなももマラソンを走ったところ、それまでの経験を生かしてどうにか3時間17分台にタイムをまとめることができましたが、前年との体力の違いは明らかでした。

その後、ホルモン注射を受けて男性更年期障害の治療を続けたところ、ホルモンの値は大幅に向上しました。その結果、集中力はある程度回復したような気がしましたが、体力は一向に戻りません。

それどころか、日々のジョグのペースはどんどん落ちていき、長い距離も走れなくなっていきます。

11月には毎年、つくばマラソンなど何らかのフルマラソンのレースに出場することにしていましたが、この年は体力に自信がないので申し込まず、代わりに普段走っている緑道で42キロ走をしてみました。

オーバートレーニング症候群になるまでは単独走でも余裕で3時間半を切って走れていましたが、このときは必死に走っても4時間を切れませんでした。

苦悩は続く

その後も、体力の回復を目指して、サプリを摂ったり、漢方薬を飲んだり、練習内容を変えてみたり、いろいろなことを試しましたが、体力は回復するどころか下がる一方です。

キロ5分で10キロ走るのは、全力ならどうにかできるかも、といった感じになりました。怪我や病気で休んでいたのならいざ知らず、体力の回復を目指して毎日走っているのに、どんどん体力が低下するのです。

オーバートレーニング症候群に悩まされた経験から、過度な追い込みは避けていたので、体力低下の原因がオーバートレーニングとは言いがたい状況でした。

そこで今度は大きな決断をします。

カテーテル手術を受ける

元をたどってみると、悪い流れの発端となったのは、2016年9月の肉離れでした。このケガの痛みが4年以上経っても消えず、脚を振り上げる動きをしたり、坂道を上ったりすると、臀部と腿裏がピンと張って強く痛むのです。

このケガを治せば、もしかしたら体調も良くなっていくかもしれないと思い、一縷の望みにかけて、2020年8月に運動器カテーテル手術というのを受けてみることにしました。ウン十万円の費用がかかるのですが、コロナの定額給付金を充当しました。

手術の結果、痛みは大幅に軽減しました。しかし、新たな悲劇が待っているのでした。

間欠性跛行に悩まされる

リハビリ期間を経て、手術の3~4週間後にはロング走ができるようになりました。しかし2回目くらいのロング走の後、腰の張りを感じつつ、ポイント練習とウエイトトレーニングをしたところ、腰痛になってしまいました。

最初は1、2日休めば治ると思っていたのですが、次第に腰痛に加えて坐骨神経痛も起こり、さらには間欠性跛行(かんけつせいはこう)という症状にも悩まされるようになりました。

数百メートル歩くだけで、僕の場合、左のお尻とふくらはぎの筋肉がフルマラソンの完走直後のようにものすごい疲れて動けなくなってしまうのです。脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)の典型的な症状だそうです。

このせいで1ヵ月ほど、走るのはおろか、歩くことも外に出ることさえもままならなくなりました。

いろんな病院や整骨院などにかかってもなかなか良くならなかったのですが、カテーテル手術を受けた病院で注射を打ってもらうと快方に向かい始め、チューブトレーニングで腰回りの筋肉を動かしていたら、次第に症状が和らいでいきました。

11月になり、ようやく1キロ走れるようになると、そこからは一気に回復が進みました。左脚にややしびれが残るものの、次第に長い距離が走れるようになり、ペースも上げられるようになっていきました。

今度は骨折

どうにか走れるようになったので、再びケガをしないようにオーバートレーニングに注意して、練習を継続することに重点を置いていこうと思っていたところ、また悲劇に見舞われます。

ちょうど今から1年ほど前の2021年1月10日のことでした。夜明け前の緑道を走っていたら、石につまずいて転倒し、右足首を骨折してしまったのです。

これで3月ごろまでほとんど走れなくなり、体力の低下はますます加速していきました。

回復の過程

骨折が治ってから、数十メートルの小走りから練習を再開しました。

今度こそ練習を中断しないことを最重視し、慎重に練習を積み重ねることにしました。

しばらくはキロ6分で5キロ走ることもできませんでしたが、足首や腰の痛みが緩和するにつれ、少しずつ体力が回復してきました。(この辺の過程は、以前のブログ記事にも書いています)。

ある程度走れるようになってきたら、週6回練習するようにして、水曜日はビルドアップ、土曜日はロング走、日曜はウエイトトレーニング、月曜はレスト、あとはジョグ、というパターンを主に繰り返しました。

そして、8月からは11月28日のハーフマラソンを目標に、ガーミンコーチのメニューに従って練習をしていきました。

その結果、先日の記事にも書いたように1時間37分台でハーフマラソンを完走することができました。3年ほど前(当時、すでに不調は始まっていました)に1時間30分台で走ったことを考えると、レベルはまだ低いのですが、1、2年前に比べると改善しています。体力がまともに向上したのは、この3年間で初めてと言えます。ようやく長いトンネルを抜けたのです

何をしたのか

これまで体力回復に向けて、随分といろんなことを試みてきました。

上に書いたことも含め、やったことと、その成果を列挙すると次のようになります。

  • 男性ホルモン注射 → ホルモンが増えても体力・走力には効果なし
  • カテーテル手術 → 痛み消失(手術直後は少し痛みが残っていたが、今は完全消失)
  • 漢方薬 → 不明(効いたのかもしれないが、実感はなし)
  • サプリ:アルギニン+シトルリン+オルニチン → 朝の目覚めに効く
  •     ビタミンC → オーバートレーニング症候群の最悪期には効いたかも
  •     カルシウム → 脚つりが減ったかも
  •     ツカレナイン → 面白い名前のサプリだが、効果はなし
  •     ヘム鉄 → たぶん体力回復に効果あり(血液検査をしていないので分からないが、フェリチン不足・隠れ貧血が解消したのか、疲れにくくなった)


  • ストレッチ → ケガ予防に効果、脚つりが減った
  • チューブトレーニング → 腰痛の軽減にかなり効果あり
  • 姿勢矯正の椅子 → 腰痛の軽減にかなり効果あり


  • ウエイトトレーニング → メンタル、ホルモン的には○、心肺機能的には△
  • マフェトン式トレーニング → 心拍数をかなり抑えて持久力を高めるトレーニング方法だが、自分には効果なし(むしろ逆効果で体力の低下が加速する感じだった)
  • ガーミンコーチのメニュー → 効果あり(上記の通り、ハーフマラソンのタイム向上に直結した。全力を出し切らないところが良い)
  • 箱根神社お参り → 効果あったかも?
  • 睡眠時間の延長 → 効果あり

最も効果があったのは睡眠

上記のうち、太字にしたのが、走力・体力回復に効果があったと思われる項目です。明らかに最も大きな効果が感じられたのは、最後に挙げた「睡眠時間の延長」です

2016年は睡眠時間が4時間半くらいだったので、少し無理しすぎだと思い、2017年に調子を落としてからは5時間、5時間半と睡眠時間を延ばしていきました。

それでも体力は一向に回復しないので、睡眠時間も不調には関係ないと思っていましたが、僕の場合、5時間半の睡眠ではまだ不十分だったようです。

2021年9月ごろから、毎日できるだけ6時間の睡眠を取るようにしたら、体調が少しずつ回復してきました。

あれほど何をしても低下する一方だった体力が向上し始めたのです。それまで、少し走るだけで苦しくなってしまうので、ペースを上げることに強い恐怖感がありましたが、そうした恐怖を感じなくなりました。

また、仕事の集中力も回復して、頭に霧がかかったようなモヤモヤした感じがいつの間にかなくなり、シャープに頭が働くようになりました。

ちなみに、睡眠時間を1日や2日延ばしても状況は変わりません。1週間や2週間でも変わりません。1~2ヵ月にわたって継続的に睡眠時間を確保して、ようやく少しずつ変化が出てきます。

今までの不調の最大の原因は、どうやら睡眠不足だったようです

結論:睡眠が一番大事

それに気づくのに、僕は4年くらいかかってしまいました。もうじき51歳になるので、これからサブスリーを目指すのは厳しいかもしれませんが、「練習して走力が向上する」というサイクルを取り戻すことができただけでも無上の喜びです。

僕のように、病気でもケガでもないのに体力が低下する一方でどうしても回復しないという人がいれば、睡眠不足を疑ってみましょう。

時々、睡眠不足になるのは仕方ありませんが、慢性的な睡眠不足はいけません。極力毎日、睡眠時間をしっかり確保するように心がければ、中高年ランナーはまだまだ甦ることができますよ!!

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POSTED COMMENT

  1. Ochity より:

    ぴぴおさん
    2017年3月から5年間の長ーいトンネルを抜けることができて本当によかったですね。年末と年明けのハーフで、2019年1月の記録は更新しなかったものの、それに近いタイムで1度ならず続けて2回走れたのですから今度は本物ですね。おめでとうございます。
    そしてトンネルを抜けるために行ったさまざまな努力の中で一番効果があったのは「睡眠時間の延長」だった、というのはとても興味深いです。それを読んで私自身のトレーニングでの試行錯誤を振り返りながら、以下のようなことを考えました。
    ◇「体力の回復を目指して毎日走っているのに、どんどん体力が低下するのです」。2019年11月の「つくづくバカマラソン」では「毎日走っているのに何でだろう」・・・。「何をしたのか」で列挙したさまざまな努力の中に、「睡眠時間の延長」以外に「休息」とか「疲労抜き」とか「リラックス」の文字が見当たらない。
    ◇この5年間、不調と闘いながらも綿密にトレーニング計画を立案してそれを実行してきたことはすごいことですが、体を回復させるためのメニューがあまりなかったのかもしれない。
    ◇これからは十分なリカバリー時間が必要。効果があったガーミンコーチのメニューは負荷とリカバリーのバランスがよくとれていたメニューだったのではないか。
    などなどを考えました。

    ぴぴおさん、50歳台にはいって、これからは体のストレッチに時間をより多く割く必要があるかもしれません。プラス、月に1度くらいはスポーツマッサージで、普段自分ではほぐすことができない大殿筋やハムストリングなどなどをしっかりほぐして整えてもらうということも必要かもしれません。
    睡眠も長さだけではなく、質が問題です。ぴぴおさんのGarminでは睡眠スコアが出ないようですが(スコアのほかに、バランスの悪い睡眠、時間が長く連続した睡眠、時間は長いが落ち着かない睡眠、などの評価も出てきます)、前に報告されていたBody Batteryと睡眠の質の相関はとても高いので、例えば朝起きた時にBody Batteryを80以上にすることを目標にするなどすると客観的な判断ができるように思います。
    今回のブログは「中高年ランナー甦り宣言」でしたね。元気をいただきました、ありがとうございます。

    • pipio.run より:

      Ochity様
      詳細なコメント、ありがとうございます!
      自分でも読み直すのが面倒に思うような長文の記事を読み込んでくださって感激です。

      マラソンで記録を狙っているランナーが陥りがちな罠だと思うのですが、ご指摘の通り、ついついリカバリーの意識がおろそかになってしまうんですよね。
      しかし、いろいろ痛い目に遭って試行錯誤を重ねた結果、ようやく睡眠や休養が大事だと心の底から理解できました。
      ランニングの記録や体重・体脂肪率など諸々の数字にとらわれすぎると体の声を聞き逃してしまうので、数字よりも自分で感じる体調を重視するのが大事だと最近感じています。

      Ochityさんからの情報やアドバイスはとても役立っています。
      今後ともよろしくお願いします!

  2. Ochity より:

    FYI
    「完休」や「レスト」を連続するとどれぐらい走力が落ちるのかを4ヶ月間検証してみた。
    https://note.com/sushiman_runtrip/n/n25dea13176c1

    • pipio.run より:

      Ochity様
      情報ありがとうございます。Sushimanさんのこのnote、私も偶然読んでいました。ケガなどをしたら、治るまで思い切って休んだ方が良さそうですね!

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