皆さん、走っていますか。ぴぴおです。
最近のGPSウォッチは多機能で、タイムや距離や心拍数を測ってくれるだけでなく、睡眠時間や歩数などのライフログも記録してくれて、それらのデータから様々な指標を算出してくれます。
僕が使っているガーミンのForeAthlete 245もそうした指標をいろいろ教えてくれるのですが、それぞれの指標が何を意味するのか、どうやって利用したらいいのか、本体をいじっているだけではよく分かりません。
マニュアルで調べようにも、最近は本体に付属せずダウンロードするようになっているので読むのが面倒ですし、ガーミン・ジャパンのウェブサイトの説明も少し分かりにくいです。
そこで、このブログでは、それらの指標の意味と見方を説明し、活用方法を提案していこうと思います。
ForeAthlete 245では(製品仕様によると、そのほかにForeAthlete 935、645、945、fenixシリーズの5 plus以降でも)、以下の9つの体力・体調系の指標が計測されます。
今回はリカバリータイムについて説明します。練習の後に表示されるアレです。リカバリータイムとは日本語にすると「回復時間」ですが、長すぎるんじゃないの、と思える数字が表示されることもありますよね。その辺りの疑問についても触れていこうと思います。
事前準備
まず、これらの指標をガーミンに計測させるには、パフォーマンス測定機能の自動検出を有効にしておく必要があります。
デフォルトで有効になっていますが、測定されない場合は適宜、まずは以下の設定を確認してください。なお、トレーニングの量や回数が不十分で計測されない場合もありますのでご注意ください。
1. 最大心拍数の自動検出を有効にする
- UPキー(左側真ん中のボタン)を長押ししてメニューページを表示
- [トレーニングレベル]>[自動検出]>[最大心拍数]の順に選択
- STARTキー(右側上のボタン)でオン/オフを切り替え(オンにする)
2. パフォーマンスコンディションの通知を有効にする
アクティビティ実行中や完了時にパフォーマンスコンディションやリカバリータイムなどの測定結果を知らせる機能を有効にします。トレーニング効果やVO2Maxなど一部の測定結果は新しい記録が検出されたときにのみ通知されます。
- UPキーを長押ししてメニューページを表示
- [トレーニングレベル]>[パフォーマンスコンディション]の順に選択
- STARTキーでオン/オフを切り替え(オンにする)
3. TrueUpをオンにする
複数のデバイスで記録されたアクティビティやパフォーマンス測定の結果がGarmin Connectアカウント経由でデバイスに同期されます。
- UPキーを長押ししてメニューページを表示
- [トレーニングレベル]>[TrueUP]の順に選択
- STARTキーでオン/オフを切り替え(オンにする)
要は、[トレーニングレベル]のセクションで表示される項目をすべてオンにしておけばOKです。
4. ユーザープロフィールと最大心拍数を正しく設定
冒頭に挙げた9つの指標のうち、特にリカバリータイムの場合、正確に測定するにはユーザープロフィールと最大心拍数を正しく設定しておく必要があります。確認・設定の方法は以下の通りです。
- UPキーを長押ししてメニューページを表示
- DOWNキーを数回押して「ユーザープロフィール」を選択
- DOWNキーを押して、「誕生年」、「身長」、「体重」、「着用する手首」を順に確認。誤っていれば訂正
- さらにDOWNキーを押して「心拍ゾーン」を選択
- 「最大心拍数」と「安静時心拍」を確認。不適切であれば訂正
この最大心拍数は重要なようです。以前使っていたForeAthlete 235Jで、これをデフォルトの数字(おそらく「220-年齢」だと思われる)から実際の水準(僕の場合、200くらい)に変更したところ、異常に長いリカバリータイムが妥当だと思われる時間になりました。
リカバリータイムの表示方法
リカバリータイムは、練習を終えて記録を保存すると表示されます。
それ以外の時は、時計画面からUPボタンを押し(長押しではありません)、「パフォーマンス」のウィジェットを選択した後、DOWNボタンを何回か押すと表示されます。
数字の外側にはカラーゲージがあり、残り時間により以下のように色が変化します。
- 赤:72時間以上(上限96時間=4日)
- 黄:24時間~72時間程度
- 緑:23時間以内
リカバリータイムの意味
リカバリータイムは、次のトレーニングを行うのに最適な状態になるまでの時間を表します。
ユーザーのプロフィール、運動の強度(距離、時間、ペース、心拍数)、心拍数の変化から推定しているのだと思われます。
リカバリータイムの利用方法と注意事項
リカバリータイムは上記のように心拍数などから推定しているため、心肺機能の回復に要する時間と解釈できそうですが、実際に日々利用しているところ、偶然かもしれませんが、脚の疲労度も適切に反映しているように感じられます。
いずれにせよ、以下のような利用方法が考えられます。
休息の時間を知る
当然ながら、リカバリータイムからは、理論上、必要な休息時間を知ることができます。
しかし、この数字が自分の感覚と合わないという方もいるでしょう。体の反応は人によって様々なのでそういうこともあります。
そこで、自分の感触とガーミンの数字を日々すり合わせてみることをお勧めします。
例えば、走り終わったときに「明日の同じ時間に同じ負荷の練習しても問題ない」と感じるのに、リカバリータイムがいつも36時間と表示されるのであれば、ガーミンは実際よりも1.5倍くらい長めにリカバリータイムを推定している可能性があるので、少し割り引いてみてもいいと思います。
その場合、ガーミンにいわれたとおりの休息時間を取る必要はありませんが、いつもより長い時間が出れば、長めの休息が必要なのだと判断できます。
逆にガーミンのリカバリータイムが自分の体感よりも短めに出ていると感じる方は、それよりも長めに休息を取るといいでしょう。
しかし、ForeAthlete 235Jなど以前の機種に比べると、「45シリーズ」(ForeAthlete 245、645など)は精度が上がっているようなので、冒頭のプロフィール設定をきちんとしておくと、次第に適切な水準に落ち着いてくるかもしれません。
適切な練習の負荷を探る
また、リカバリータイムから適切な練習の負荷を探ることもできると思います。
例えば、毎日走る人は、このリカバリータイムが24時間以内になるように練習の負荷を調整していけば、適切な負荷で練習を積み重ねていくことができます。
また、日曜日はハードな練習をするけれど、月曜は休みにして火曜日から練習を再開するというパターンの人は、日曜はリカバリータイムが48時間になるような負荷の強い練習で追い込むことができます。
注意事項
ただし、このリカバリータイムが信頼できないときもあるので注意してください。
上記のように自分の感触と合っていないという場合の他にも、心拍計の測定が何らかの原因で不正確だった場合(特に手首で測る光学心拍計ではよくあります)は当然、不適切な数字になります。
また、ハードな運動をした後に、軽い負荷の運動でクールダウンを少し長めに行うと、負荷が低いのに心拍数が高いと判断されるからか、かなり長いリカバリータイムが表示されることがあります(この場合、VO2Maxが下がることも多いです)。
この場合も、鵜呑みにしなくても良いかもしれません。
これらの点に注意しつつリカバリータイムに注目していけば、負荷を適切に調整して効果的に練習を積み重ねていくことができると思います。
なお、リカバリータイムを有効活用するには、心拍数を正確に測定する必要がありますが、手首で測る光学心拍計では精度不足です。したがって、胸ベルト式の心拍計の利用をおすすめします。